第8回 老化防止のために摂りたい食物

 ひとは血管から老いるといいます。これは動脈硬化が進行し、血流が悪くなると、全身の臓器の機能が低下し、老化が進行するということです。血液には各臓器、器官に酸素や栄養素を運び、機能を保ち、修復する作用があります。健康でいるためには、きれいな血液が体のすみずみまで、行き渡っていることが大切です。
 血液の流れをを「サラサラ」にし、血管が詰まりにくい状態に保つことは、全身の老化を予防することにつながります。そのためには日頃から食事、運動や日常生活への注意が必要です。老化防止のために摂りたい食物には、次のようなものがあります。

1.総コレステロール値を下げる働きのある食物

 さば、さんまなど青魚に含まれるエイコサペンタエン酸、ナッツ類やオリーブ油などの植物油に含まれるオレイン酸は、コレステロール値を下げます。貝類やたこに含まれるタウリンには、コレステロール値を下げ、血圧を正常に保つ作用があります。

2.腸管からの脂肪分の吸収を抑制する働きのある食物

 野菜、海藻、きのこ、切干大根、コンニャク等、食物繊維を多く含む食物をとると、腸管からの脂肪分の吸収を抑制するため、高脂血症を予防します。

3.コレステロールの酸化を防ぐ働きのある食物

 ウナギ、ニンジン、ピーマン等ビタミンAを含む食物、キャベツ、ブロッコリーなどβ-カロテンを含む食物、かぼちゃ、アーモンド等ビタミンEを含む食物には、コレステロールの酸化を防ぐ働きがあります。コレステロールの酸化を防ぐことは、動脈硬化の予防に大切です。この作用は赤ワイン、緑茶、ゴマにも認められます。

4.コレステロールの血管沈着を抑制、中性脂肪値を下げる働きのある食物

 大豆、豆腐などの植物たんぱく質食品、オレンジなどの柑橘類、酢、そばにはコレステロールの血管沈着を抑制、中性脂肪値を下げる働きがあります。

5.血栓を溶かす働きのある食物

 ニンニク、タマネギ、グレープフルーツ、メロンには血栓を溶かす働きがあるため、血管の詰まりを取り、血液の流れを改善します。

 40歳を超えると動脈硬化が進行する人が増えてきます。今回紹介した食物を毎日食べているかどうか、チェックしてみましょう。また健康診断で異常を指摘されている人は、管理栄養士のアドバイスをうけ、食事療法を開始すると良いでしょう。詳しくは内科でお尋ねください。毎日の食事でこれらの食物を積極的に摂り、食生活をバラエテイ豊かにすることで、老化を予防しましょう。

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