健康ワンポイント

第7回 早寝早起き

 早起きは難しいのに、朝寝坊や、夜更かしは楽にできると思いませんか?
人間には体内時計をいう感覚がそなわっています。時計を見なくても大体の時間がわかる、腹時計といったりしますね。この体内時計の1日が24時間よりも少し長い25時間であるためこのようなことが起こります。
 このずれを放っておいたら、どんどん生活のリズムがくるってきます。そのようにならないのは、朝日を浴びたとき視床下部や、松果体が働いてこのずれを解消するためです。逆に夜の光はこのずれを拡大します。
 松果体から分泌されるホルモン、メラトニンは体内時計の調整のみならず、活性酸素による毒性を軽減する結果、がん予防や長寿にも効果があると考えられています。昔から早寝早起きは体にいいといわれています。朝日を浴びて働いて夜は暗くして休むという、自然と調和した生活が健康長寿につながります。

第6回 アスベスト、石綿

 最近アスベスト被害についての報道が増えています。アスベストは珪酸塩の細かい繊維状の結晶で、せきめん、いしわたと呼ばれます。アスベストは防音性や断熱性に優れ、規制される以前は建物や乗り物などに広く使用されていました。  アスベストを吸入するのは採鉱従業員や、石綿製品、ボイラー、耐火物、車のブレーキ、クラッチの製造、建築工事、配管工事、電気工事関係者です。建物の解体や建築廃材の処理場では作業員のみならず、近くの住民や通勤途中でも暴露されることがあります。またアスベスト作業従事者の衣服を介して、家族にも被害が及ぶこともあります。  アスベスト吸入によって起こる呼吸器疾患には、間質性肺炎を示す石綿肺の他、胸膜肥厚斑、最近問題となっている胸膜中皮腫があります。また喫煙者では肺癌の合併率が高く、一般男性非喫煙者の50倍の頻度です。胸膜中皮腫、肺癌ともアスベスト暴露後15−20年と時間がたってから発症しますので、定期的な健康診断が必要です。

第5回 ペットボトル症候群

 炭酸飲料やコーラなどの清涼飲料水、コーヒーや果実飲料には糖質が約10%含まれています。例えば500mlのペットボットル1本を飲むと、糖質が50g含まれますので、摂取カロリーは200kcalでごはん茶碗1杯分よりも多くなります。これらに含まれる蔗糖、果糖の1日摂取量の基準は50gですので、これ以外にお菓子などの甘いものを食べると、その分血液中の中性脂肪が上昇します。  特に暑い夏には汗をかいてのどが渇きます。甘い飲料水を飲むとさらにのどが渇いて悪循環になり、1日に何本も清涼飲料水を飲む糖尿病患者さんもいます。  ペットボトルをコンビニや自動販売機で簡単に買えるようになった事が肥満や糖尿病の原因になっている生活習慣病の1例です。

第4回 夏期間のアレルギー

 今年シラカバ花粉は3月に雪が多かったため、飛散時期が例年より遅れ、また雨が多かったこともあり量も少なめでした。症状が軽くすんだ方も多いと思います。  札幌での夏の花粉症はカモガヤ、オオアワガエリなど雑草の花粉です。花粉の量はシラカバよりも少なく、鼻炎などの症状も軽めです。夏風邪が長引く、また繰り返すという方がいますが、鼻汁、のどの違和感の場合、アレルギー症状の場合もありますので診断をうけて治療するようにしましょう。

第3回 果物は野菜の代わりにはなりません

  「果物は健康によい」とか、 「野菜は食べないが、果物で補っている」 ときくことがあります。また「美容食だからいくら食べてもよい」と言う人もいます。  果物が野菜と違うのは糖分を多く含む点です。 特に果糖は脂肪を作る作用が強く、中性脂肪となって脂肪組織にたまります。  ダイエットのため、ご飯は食べずに果物ばかり食べていたら、逆に太ってしまったという笑い話のような結果にもなりかねません。  果物は一日1個として、野菜を300g以上食べるようにしましょう。